OSHO said

20世紀の覚者、OSHO(バグワン・シュリ・ラジニーシ)の講話

7.現実的な親子関係

<OSHOとのダルシャン(面談)より>

OSHO・・・何か言うことはあるかな? 

アンパ・・・何ひとつ言うことなど考えつきません・・・。それならば、母親であることについてお聞きしてもいいですか?私は母親としては上手くやっていると思うのですが、ひとつだけ子供達を駄目にしてしまいそうなのに、私にはコントロール出来ない大きな問題があります・・・。 

それは彼らに向かって怒鳴ることなんです。私はごく穏やかな人間なのですが、息子が何か私の気に入らないことをやると、彼を怒鳴りつけてしまいます。それはまるで私ではないみたいなんです。 

OSHO・・・実際にはどうなるのかね?ちょっと私に状況を説明してごらん。 

アンパ・・・彼が妹のところへ行って彼女をつねると、妹の方は悲鳴を上げます。それで私は神経がまいってしまって、彼に止めろと怒鳴るんです。 

OSHO・・・いいや、怒鳴ることは心配しなくていい・・・全然心配はいらない。それは自然なことだ。ただひとつだけ心にとめておかなくてはならないことがある・・・愛することによって、そのバランスを取ることだ。 
  
ときには怒鳴りたくなることもあるだろう・・・そして、子供達はそれを理解してくれるものだ。なぜならば、彼らは自分でも怒鳴っているのだから・・・それが彼らの言語なのだ。 

もしあなたが、内側で煮えくり返っているのに怒鳴らなかったら、子供は何がどうなっているのか全く訳が分からなくなってしまう。それは子供の理解を越えているからだ。 

彼には感じることが出来る・・・まさにあなたの波動自体が怒鳴っているのに、あなたの方は怒鳴らない。それどころか微笑んだりしている。コントロールしている。子供というのはそのことでとても混乱してしまう。 

というのも、彼には母親が騙しているように感じられるからだ・・・。しかし、子供達は決して欺瞞を許さない。彼らはいつでも真実を受け容れる用意ならある。子供達というのは、とてもとても経験主義的で、とても地上的で、地に着いている。 

彼らは、あなたが怒鳴るのは受け容れられる。自分達もそうしたければ怒鳴っているからだ。もしあなたが怒鳴ったら、彼らはあなたと自分達との間の架け橋を感ずるだろう。 

なされ得る唯一のことは、それについて罪悪感を持たないということだ。さもないと、あなたの罪悪感が混乱のもとになってしまう。あなたの罪悪感が、彼らにいろいろな問題をつくり出してしまうだろう。 

彼らは、自分達があなたの罪悪感の原因になっていると感じ始めるに違いない。自分達があなたに罪悪感を抱かせているのだ、と。それが今度は、彼らの中に罪悪感をつくり出してしまう。罪悪感が罪悪感を生む。 

だから、そうしたい時には怒鳴るがいい。ただひとつ心にとめておくべきなのは、愛によってそのバランスを取ることだ。そうしたら、愛する方も狂ったように愛しなさい。彼らを怒鳴るのだったら、彼らを愛することもしなければならない。ちょうど同じ狂ったような愛し方で・・・。 

彼らを抱きしめなさい。彼らと踊りまわりなさい。彼らは、自分達の母親は野性的なのだということを理解してくれるだろう。そして彼らは、あの人は自分達を愛しているのだから、怒鳴る権利もあるのだということを分かっている。 

もしあなたが怒鳴るだけで、強烈さと情熱をもって彼らを愛してやらなかったら、それは問題だ。だから、問題は怒鳴ることからやって来るのではない。それは、あなたが愛することによって、そのバランスを取らない場合に出て来るのだ。 
  
だから、とにかくバランスを取り続けなさい。それが全てだ。そして真実でいること。もし怒鳴りたいのだったら、あなたは怒鳴りたいのだ。どうしようがある?あなたが出来ることなど全て一種の抑圧になってしまうだろう。 

あなたはそれを抑えることも出来る。それを中で止めておくことも出来る。しかし、それは非直接的な出方で外に出て来るだろう。そして、子供達にはそういう非直接的な出方は理解出来ない・・・彼らはまだ文明化されていないのだ。 

彼らは抑圧という言語を知らない。彼らは何か間違ったことをやったら、自分が叩かれるというのは理解出来る。しかし、何か間違ったことをやったのに、あなたの前に出るとあなたが微笑んでいるというのは理解出来ない。これはただただ、彼らを困惑させてしまう。 

それはあまりにも不自然だ。彼らはそんなものは信じられない。お母さんはそれをごまかしているに違いない・・・というのも、彼らに出来ないそんな不自然なことが、どうしてあなたに出来るのか?そしてもちろん、彼らの方があなたよりも自然に近く、あなたよりも自然をよく理解している。 
子供が何か間違ったことをやって来たら、彼は叩かれる心の準備をして来る。もしそれを叩かなかったら期待が裏切られて、その子は欲求不満になってしまうだろう。それを思い切り叩いたとしても、何も間違いはない。ただ、それは温かいものでなければならない。

そのお仕置きは、冷たいものではなく温かいものであるべきだ・・・そして、そのふたつの間には大きな違いがある。冷たく叩いたり冷たくぶったりするのは、あなたが抑圧しているからなのだ。 

たとえば子供が何かをやって、あなたが自分の怒りを抑えたとする。それは温かい瞬間にもなり得た。もしあなたが彼をぶち、彼を怒鳴っていたら、全ては温かく生き生きとしていたことだろう。 

ところが、あなたはそれを抑圧してしまった。後になって、その子が何もしていないというのに・・・6時間も経って、彼の方はけろりと忘れている・・・あなたの方はまだ忘れられない。それを抑圧したからだ。もう、ことの全体が冷たくなってしまっている。そうなると、あなたは何か口実を見つける。 

「あなたは宿題をしてないでしょ!宿題はどこにあるの!」さあ、これは冷たい。あなたは仕返しをしているのだ・・・そうせずにはいられないだろう。さもなければ、それはあなたにまとわりついて離れない。あなたは何かしらせずにはいられない。さもなければ、それを厄介払いすることが出来ないだろう。 
  
あなたは何か理屈に合った口実を見つけ出す。怒鳴るというのはとても非合理的だ。が、自然だった。ところが、あなたは何か不自然だけれども合理的な口実を見つけ出すに違いない・・・彼が宿題をやっていないとか、服が汚れているだとか、今日はシャワーを浴びていないだとか・・・。 

あなたはまだ怒っている。だが、あなたのその怒りは冷たい。あなたの方はそれによって、その抑圧を厄介払い出来るかもしれない。しかし、それは醜い。それはちょうど、冷めた料理を食べるのに似ている・・・消化にも長い時間がかかるし、胃にも重くもたれてしまう。 

子供は理解することが出来ない。それはほとんど不可能だ。彼は何もしてやしない。彼はこんなことは予期してはいなかったし、6時間前に起こったことなど全く忘れてしまっている。子供というのは、どんな記憶も決してそんなに長くは持ち歩かない。そうやって、不信感が湧いて来る。 

なぜなら彼は、母親と自分とはどこか全く違うと思ってしまうからだ。彼が何か間違ったことをすると、母親は微笑む。そして何も間違ったことをしていない時には、彼女は叩いたり、怒鳴ったりするのだ。しかも、冷たい怒鳴り声にはハートがない。 
  
だから温かくしてあげなさい。彼らはあなたの子供達なのだし、あなたは彼らの母親なのだ。あなたは自然な、流動的な関係を持たなくてはならない。心理学者達が吹聴していることなど耳を傾けなくていい。その50%はほとんどガラクタだ。 

彼らは世の中のたくさんのビューティフルなものごとをぶち壊しにしてしまった。今では母親達や父親達は、子供達に対してどういう振舞いをするかという手引書を読んでいる。何という愚かしさだろう。 

そんなことは読まないでも分かる・・・ひとりの母親であることによって、あなたはどう振舞うべきか分かるのだ。何も誰からも学ぶ必要などない。ただ、自然でいるがいい。ああいう手引書は全部焼き払うべきだ。自然に耳を傾けなさい。 

あなたは母親なのだから、ちゃんと分かるはずだ。どうやってねずみを捕まえるか手引書を調べに行く猫はいない。彼女はあっと言う間に飛びかかって捕まえてしまう。彼女は猫だ・・・それで充分なのだ。何の証明も必要ない。どんなカウンセラーも必要ない。 

あなたは母親なのだ。終わり!あなたの母なる自然が面倒を見てくれるだろう。ただ自然でいて、常にバランスを取りなさい。もしあなたが自然でいれば、バランスはひとりでに取れるだろう。 
私がそう言っているのは、あなたが忘れないようにするだけの為だ。そうしないとあなたは怒鳴ったり、自然であることは一人前に出来ても、彼らを愛さない可能性がある。 

そして、愛というのは何かマインドの中にあるだけのものではない。あなたは、自分が彼らを愛していると思う・・・それだけでなく、何かしらやってごらん。ちょうど、あなたが怒鳴るのと同じように・・・怒鳴るというのは、物理的なことだ。 

ときには、自分がこんなにビューティフルな子供を持っていることを理由に、歌ったり、踊ったりしてごらん。そうすれば何も問題はない。ときには彼らを抱きしめなさい。彼を近くに抱き寄せなさい・・・彼にあなたの体を感じさせ、彼の体を感じてごらん。 

彼はあなたの体の一部なのだ。彼はあなたの温かみを必要としている。ときには彼の手を取って家中駆け回るがいい・・・泳ぎに行くがいい。ときには彼を浴室に連れて行き、ふたりとも裸になってシャワーの下に立ってごらん。 

そうすれば、彼は自分の母親が自然だということを完全に理解するだろう。彼女のやることは何でも正しいんだ・・・。 

私の見る限り、何も問題はない。Good、アンパ。 

「生命の歓喜」(Dance Your Way to God)(めるくまーる社)より